はじめまして、かにかまと申します。唐突ですが皆様、クイズはお好きでしょうか。テレビで放映されているクイズ番組を視聴したり、スマートフォン1つからでもアプリで早押しクイズを楽しめたり、大人気YouTubeチャンネル「QuizKnock」の動画を見たり、有志によって開かれているクイズ大会に参加したりと、2021年の今は様々な形でクイズを楽しめる世の中になっています。
クイズの問題となるのは世界遺産や文学作品、生物といった学校で習う知識の延長線上にあるものから、時事問題やひらめきなど多岐に渡っていますが、今回はこのブログを見られている方の多くが楽しまれているカードゲーム『デュエル・マスターズ』でクイズを作成する時の楽しさ、注意点などを書かせていただきます。
デュエマも今年で20周年になるということで、沢山の歴史を積み重ねてきました。カード1枚にもテキストやイラスト、パワーといった様々な要素が含まれていて見ているだけでも楽しいですし、そのカードが躍動するアニメや漫画もあって、大型大会のテキストカバレージを見てもとてもワクワクしますよね。そんな楽しいデュエル・マスターズについてもっと深く知ることが出来る、それがデュエマクイズなのです。
クイズって何だろう?
私は「知識を使った、用意された問いに答える遊び」であると考えています。この「知識」という言葉は「情報」と言い換えることも出来ます。私は調べれば誰でも信頼できる情報源に行き当たることが出来るものを使うようにするようにしています。私たちが知ることが出来る情報=知識ということです。
今回はデュエマクイズということで、デュエマのカードを答えにする問題を作成します。
カードについて調べよう
さて、デュエマで作問するにあたってどんな情報からクイズを作るかかはぶっちゃけ自由です。1枚のカードからでも沢山の問題を作ることが出来ます。今回選んだカードはこちら。
早速このカードからクイズに使えそうな情報を抜き出してみましょう。
情報の一次ソースとしては公式サイトのカード検索や商品情報、現在も存在しているDMGP特設サイトなどが使えますね。公式サイト以外にも、タグで検索できるデュエマwiki、カードの名前を打ち込めばバージョン違いもすぐに調べられるDeckMakerなどなど用途に応じてサイトを使い分けることが出来ます。1つのサイトだけでは漏れがある可能性を否定できないので。2つ以上のサイトで確認するのがベターです。
カードに記載された情報、型番、殿堂入りや公式大型大会への投入などの実績などの情報を調べ上げました。大型大会は3位決定戦を行うことが多く、4位までは順位が区別されて書かれているので、ベスト4までに入っていれば実績とみなすことにしました。また、このカードといえば同日に殿堂入りした”単騎連射 マグナム”と併用したフィニッシュ手段の1つ”単騎ラフルル”ギミックも広く知られているので、大会実績の項ではこのギミックが搭載されているかも調べてみました。
カードに記載された情報
名前:音精 ラフルル
基礎スペック:5マナ パワー5000 光/水文明
種族:エンジェル・ドラゴン/革命軍/ドレミ団
イラスト:Yuukoo009(ゆーこー)(敬称略)
テキスト:革命チェンジ:光または水のクリーチャー(自分の光または水のクリーチャーが攻撃する時、そのクリーチャーと手札にあるこのクリーチャーを入れ替えてもよい)
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、そのターン、相手は呪文を唱えられない。
型番
2016年7月9日発売 DMX-23 「奥義伝授!! デッキLv.マックスパック」(レアリティなし)(フレーバーテキストなし)
2019年3月30日発売 DMRP-09 「超天篇 第1弾 新世界ガチ誕! 超GRとオレガ・オーラ!!」(ウルトラゴールデンカード)(フレーバーテキストなし)
大型大会実績
超CS1st(2017/07/08)において、1位が3枚、4位が2枚使用(備考:デッキタイプは互いに”ドギラゴン剣”。4位のデッキレシピでは”単騎連射 マグナム”2枚と併用されている。)
殿堂入り(2018/03/01)
全国大会2017日本一決定戦(2018/03/14)において、1位、2位、4位が1枚使用(備考:デッキタイプは全て”ドギラゴン剣”であり、”単騎連射 マグナム”と併用されている。)
GP6th(2018/04/21)において、3位C卓が1枚使用(備考:デッキタイプは”ドギラゴン剣”。”単騎連射 マグナム”と併用されている。)
超CS2nd(2018/08/11)において、1位が1枚使用(備考:デッキタイプは”ドギラゴン剣”。”単騎連射 マグナム”と併用されている。)
プレミアム殿堂入り(2020/01/01)
ラフルルという1枚だけでもこのような沢山の情報が見つかりました。これらの情報を組み合わせて、答えがラフルル1枚に絞れるクイズに仕立て上げていきますが、単純にこの2つの情報をくっつけるだけではなく、同じ情報を共有するカードの中でのラフルルの独自性を見つけることも作問に繋がります。
たとえば、ラフルル以外にも「革命軍」を種族に持つクリーチャーは沢山いますが、「殿堂入りを経験した」という条件をつけると、ラフルル、ミラダンテⅫ、ドギラゴン剣、パラスラプトの4体まで絞り込まれます。ミラダンテⅫとドギラゴン剣は殿堂入りに指定されたのが2019/03/01、パラスラプトは2020/01/01と、ラフルルよりも後に殿堂入りしていることが分かります。これにより、ラフルルは「革命軍を持つクリーチャーで最初の殿堂入りカード」でもあることが分かりました。
このようにして情報を組み合わせていくことで、より1枚のカードから情報を引っ張りだしていくことが出来ます。カードについてより理解を深めていくこの瞬間が楽しいですよ。
さて、ここで一つ注意点です。めちゃくちゃ調べましょう。嫌というほど調べましょう。これはガチ系のクイズでもゲーム的なクイズであっても同じです。自分の目で、正確な情報をしっかり確認して作りましょう。
おぼろげな記憶や印象で作ると、時には間違った情報を出してしまうことがあります。動画でも使っていますが、「基礎のパワーの下1桁が奇数のクリーチャーはそれぞれ1体以上存在する。〇か×か」という問題の解説でうっかりミスをしました。答えは「〇」というのは正しかったのですが、その後の問題説明で「パワーの下1桁が5のクリーチャーは禁断機関 VV-8だけ」という誤った説明をしたのです。何が間違っていたかと言うと、パワー4545の「自然の三男 チョロ松」が存在するため、VV-8だけではなかったのです。今回は正誤に関わらないミスだったからよかったものの、問題が違えば大問題です。
【デュエマ×クイズ】超難問デュエマクイズで過去一番の大熱戦!? - YouTube
早速作問しよう!
今回は先ほどのラフルルから短文の早押しクイズを制作してみました。例題は全て答えが「音精 ラフルル」になる問題です。
もちろんストレートに「○○なカードは何?」という問題文でもいいですが、沢山調べたので、より肉付けをして「○○で知られる、××なカードは何でしょう?」など二段構成の問題を作ってみましょう。
二段構成の問題は、1つの条件に合致するものが多くても、もう1つの条件と合わせて答えを1つに絞ったり、実は1つ目のヒントで既に絞り込めているが、そのヒントが難しいのでもう1つヒントを提示することによってわかりやすくしたりといった手法を取ることが出来ます。
例題
Q:そのイラストはYuukoo009が手掛けた、「奥義伝授!デッキLv.マックスパック」ではじめて収録されたドラゴンは誰でしょう?
Q:種族に革命軍を持つカードとしてははじめて殿堂入りに指定された、超天篇第1弾でウルトラゴールデンカードとして収録されたクリーチャーは誰?
ちょっと俗っぽくするならこんな感じの問題文もいいかもしれませんね。大会実績において”単騎連射”との併用が目立っていたことを活かしてみました。
Q:特に”ドギラゴン剣”で”単騎連射 マグナム”と併用されることも多かった、2020年1月1日をもってプレミアム殿堂入りに指定された光文明と水文明を併せ持つ多色クリーチャーは誰?
しかしながら、扱うのが難しい情報もあります。今回は2つほど紹介。
扱いが難しい情報の例
元ネタ絡み
Q:映画『羊たちの沈黙』が名前の元ネタとされる、進化元としてイニシエートを要求するアウトレイジの進化クリーチャーは何でしょう?
A:サイレンス(呪文たちの沈黙) トパーズ
公式に明言がないのでやや難しい所。結局憶測の域を出ないのです。上の問題文では「元ネタとされる」と書いていますが、どこでされてるのかという突っ込みがあるはずです。デュエマ自体はパロディやら多いカードゲームではあるので、イラストレーターコラボやらで作るならいけそうですが…。
あとは、カード名を答えにしようとするとやや無理をしなければいけなくなったりします。「デュエマ要素要る?」って事態にも。
Q:フルネームでお答えください。その名に『田園』や『英雄』、『運命』で知られる作曲家のファーストネームを含む、コスト14とデッキに入るキング・コマンド・ドラゴンでは最大のコストを持つクリーチャーは何?
A:偽りの王 ルードヴィヒ
カード相場
これも公式情報ではないというのが大きいですね。どのサイトを参考にしたかを明確にした、値段の変わり方を表すグラフならギリギリいける…?
作問に関しては、私と共同で作問している方が書かれたブログもあるので、こちらも是非見ていただければと思います。
この記事で扱うクイズがどのようなものか分かったと思いますので、早速クイズに行ってみましょう!
短文早押しクイズ
問題文をそのまま読み上げるクイズです。記事前半でも作った、もっともシンプルなクイズです。ボタンを用意するなり、手を挙げてもらうなりして、分かった時点で早く答えることに重きを置く文章クイズですね。
先ほども書きましたが、シンプルに「○○なカードは何?」という問題以外にも「○○な、××なカードは何?」という複数の情報を組み合わせた問題も作れます。パラレルと呼ばれる、「○○といえば××ですが、△△といえば何?」という問題を作ることも出来ます。
カード名を答えにする場合は、フルネームのみを有効とするか、一般的な略称(冠詞の省略など)も有効とするかを指定すると解答者に優しくなるのでおススメです。
例:最もパワーの低いクリーチャーは何でしょう?
A:ゾンビポンの助
例:2021年5月1日現在殿堂カードに指定されている、デュエル・マスターズ史上初めて名前に「!」が使われたカードは何でしょう?
A:蛇手の親分ゴエモンキー!
Q:冠詞「凰翔竜機」を持つ多色カードで、進化クリーチャーは「凰翔竜機バルキリー・ルピア」ですが、クリーチャーは誰でしょう?
A:凰翔竜機ワルキューレ・ルピア
画像クイズ
その名の通り、画像を使ったクイズです。イラストからカードを当てる問題や、グラフを使ったり色々な作り方があります。名称ルールや同じパックに収録されたサイクルなど、カードに見られる法則性を用いたひらめき問題などもこの分類で作れます。解答時間を設けてボードに書いてもらうもよし、早押しにするもよしの形態です。
例:次のグラフが表しているものは何でしょう?
A:その年に開始したシリーズで登場した通常拡張パックの数
(備考:2014年開始のドラゴン・サーガ期はDMR-16が極と真で2つ、2016年開始の革命ファイナル期は3弾目のドギラゴールデンで終了、2017年開始の新章はDMRP-04がサッヴァークとドルスザクで2つ)
多答問題
複数の答えがある問題です。ある共通点を持つカード達を、答えられるだけ答えます。作問者側の感覚としてはネプリーグのファイブボンバーの「『広辞苑』に掲載される言葉のなかで、○○が入る言葉」が近いかもしれません。
解答時間を設けて、どれだけ答えられるかを競う対戦形式でやるのもおススメです。
例:名前に「ドギラゴン」を含むカードを答えられるだけ答えろ。
以下解答
蒼き守護神 ドギラゴン閃
ボルシャック・ドギラゴン
蒼き団長 ドギラゴン剣
燃える侵略 レッドギラゴン
伝説のレジェンド ドギラゴン
レッツ・ドギラゴン
ドギラゴン一刀双斬
ドギラゴン・エントリー
宿命のドギラゴン銀刃
ドギラゴン・チャンス
ヴァルキリー・ドギラゴン
ドギラゴン・フォーエバー
終わりに
ご覧いただきありがとうございました!何かを知っていて、ほんの少しでも楽しいと思える、それがクイズという遊びの魅力だと思います。楽しいデュエマに関する知識を増やして、クイズで競う。その楽しさがこの記事で伝われば幸いです。皆さんも是非友人間で作って出題しあってみてください。
クイズ解説(2021/03/15出題版)に続く…かもしれない。