#ダイニング・メッセージ

大阪や佐賀に現れるかにかまって人のブログ。デュエマとか。

【リモートデュエマ】モルトNEXT限定大会「超NEXTフェス」に現れると思っていたデッキ考察

※この記事の内容の大部分は開催前に考察したものです。そのため文章の一部に時制の乱れが生じていますが、予めご了承ください。

グレンモルトのストーリーがクロニクル最終決戦デッキのテーマへ抜擢されたことを記念し、2020年6月20日に開催されたリモートデュエマ大会「超NEXTフェス」は、総勢13名のモルトNEXTを愛する者たちの手に汗握る戦いに終わった。熱いデュエマを繰り広げてくれた大会参加者はもちろん、生放送やTwitterのタグなどで盛り上げてくれた方々には感謝してもしきれない。(当URLの大会のエントリーは終了しています)

 筆者はスコアキーパーとしてこの大会の運営に携わっていたが、業務の合間にフィーチャーテーブルの生放送を見ては熱い試合にあっと言わされることばかりだった。本当に素晴らしい大会だった。

さて、この大会には構築ルールが存在している。画像をご覧いただこう。

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デッキのおよそ半分をドラゴン色に染め上げる、この大会を”モルトNEXTのモルトNEXTによるモルトNEXTのための大会”たらしめるルールだ。

しかし、ここまで縛られてしまっても「このルールに従いながらも悪いことが出来ないか?」と考えてしまう人間だっているはず。現に筆者もその一人であり、”モルトNEXTではないモルトNEXT”こと”脱法NEXT”を考えたものだ。

そこで、今回の記事では筆者が考える”モルトNEXTを100%使いこなしてみせる”という意思の元構成されたモルトNEXTデッキと”脱法NEXT”を3件ずつ紹介する。
なお、筆者が考えたものではないが「ぜひこれを書いてほしい」という願いから寄稿された脱法NEXTもおまけとして紹介させていただく。

 

不死鳥NEXT

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今大会の本命その1。”禁断~封印されしX~”の封印+”爆流忍法不死鳥の術”のコンボでドラゴンの踏み倒すことによる理不尽の押し付けが最大の魅力であり、コマンド以外のドラゴンも含むゲームエンド級のカードを数多く採用できる。

その中でも特に注目すべきは2種のキング・コマンド・ドラゴンである。”偽りの王ヴィルヘルム”は確定除去とランデスに加えブーストも兼ね備えているため、大きく相手プレイヤーにテンポの差をつけることが出来る。この大会では1マナの重みがあまりにも大きく、トリプル・ブレイカーを場に出された上でビッグアクションへの到達を邪魔されてしまうというのは敗北に近い。”偽りの王モーツァルト”はドラゴンこそ破壊できないものの、17000という並みのカードでは到底及ばないようなパワーによる場持ちと相手のドラゴンの攻撃を完全シャットアウト出来ることが評価点。モルトNEXTには攻撃を挟んで真価を発揮するカードが多く、”モーツァルト”を除去する事が出来なければ大きく足踏みをすることになる。

ドラゴンが跳梁跋扈する今大会では、その他のドラゴンとして”ボルシャックライシス・NEX”や”無双龍幻 バルガ・ド・ライバー”、”王・龍覇グレンモルト「刃」”を採用してドラゴンの連鎖を起こすことも考えられるが、バトル効果や”脱法NEXT”に対して一定の耐性をつけることが出来る”龍世界ドラゴ大王”も捨てがたい。

弱点としては歪なマナカーブが挙げられるだろう。構築を”不死鳥の術”に大きく歪めているため、マナ加速カードの枚数は抑えなければならないのだが、マナ加速が引けない場合は手札の重量級カードに苦しむことになる。また、”封印されしX”の封印管理も難しいところ。調子に乗って”伝説の禁断ドキンダムX”を開放すると除去されてしまったり自分の”ボルシャック・ドギラゴン”から”モーツァルト”を捲って自滅しかねない。”ボルドギ”の開放を見越して”禁断の鼓動”を選択する、進化元目当てでバトルゾーンの”ボルドギ”を墓地に送ってバトルゾーンに出すというアクションを行わないというプレイングも覚えておいたほうが有利だろう。

受けがほぼ”ボルシャック・ドギラゴン”一辺倒であることも弱点とはいえるものの、このデッキの”ボルドギ”は他のデッキと比べて段違いのパワーを持つ。プレッシャーも相当なものだ。

広く使われている”フルパワー構築”を転用できるデッキではあるものの、今大会での使用にあたって選び抜いた”こだわりの一枚”とプレイが勝敗を左右するだろう。

 

ドルマゲドンNEXT

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今大会の本命その2。”Forbidden Star~禁断の星~”の封印を外した時に得られるパワーアタッカーでの盤面処理や”轟牙忍ハヤブサリュウ”、”熱血龍バトクロス・バトル”をスレイヤーで強化するなどの細かい動きで盤面を補佐した後は耐性付きのフィニッシャーに転じられる”終焉の禁断ドルマゲドンX”は唯一無二のカードである。コマンドの召喚ごとに剥がれていく封印がゲームエンドへのカウントダウンを刻みながら、盤面を陰で支配しているのだ。

”超戦龍覇モルトNEXT”+“闘将銀河城ハートバーン”のワンショットキルはそのままに安定した受けを確保することが出来るため、地に足を着けた戦い方が出来る点が魅力的。

反面”Forbidden Star”の制約からコマンド以外のドラゴンを採用しづらく、二段攻撃と単色の呪文やクリーチャーの効果で選ばれない効果を兼ね備えた強力なフィニッシャーである”情熱英雄モモキング”がないとバレるのは無視できないデメリットである。

 

鬼寄せNEXT

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新カード”鬼寄せの術”によるドラゴンの速攻召喚を狙うモルトNEXT界の新星。「理論上3キルが出来るカード」を最大6枚積むことが出来るようになったり、(類似カードと比較して)広い軽減範囲を活かして”悪魔龍ダークマスターズ”を積むことが出来るのが魅力。

その一方、マナ基盤を闇文明のカードで大きく歪めることになり、守りの要である”ボルドギ”や”ハヤブサリュウ”の枚数は削られてしまう。更に”鬼寄せ”本体は”モルトNEXT”の龍マナ武装や”メンデルスゾーン”のブーストに与しないため、メリットの一つである「3キル」の要求値は極めて高い。

沢山の課題を抱えたカードではあるものの、鬼寄せにしかない強みを活かした「これまでにないモルトNEXT」の可能性が今大会で開かれることに期待がかかる。

 

ここからは3つの”脱法NEXT”を紹介する。トンチキデッキだらけだが、楽しく見ていってくれれば幸いだ。

赤単ドルガンチェンジ

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”龍装”チュリス”から大型革命チェンジへ繋ぐデッキ。特に”シン・ガイギンガ”はバトル時のパワー13000と選ばれた時のエクストラターンによる事実上の除去耐性から非常に処理が困難なカードであり、着地に成功すればゲームを有利に進められる。

チェンジ先以外は単色で組みやすいことから紹介デッキの中でもマナ置きをストレスフリーに進めやすく、メインギミックであるドルガン+チェンジ以外の枠を比較的自由に取りやすい。ハンデスが出来る”第三種ベロリンガー”などが存在する闇文明を追加したり、”モルトNEXT”の召喚を視野に入れられるようになる”龍友伝承コッコ・ゲット”、2コストルーターとして使える”カツラデランス/「アフロ行きま~す~!!」”や”サイコロプス”などを視野に入れられるだろう。”サイコロプス”は早期に出てきた大型クリーチャーを除去したり、禁断解体、ボルドギから捲れた時の一発逆転を狙うことも出来る。

反面防御を”ボルドギ”と”ドキンダム”の禁断開放に頼りがちで、盾への信頼度は薄い。

 

ドラゴン墓地ソース

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3ターン目に”イーヴィル・フォース”で”不吉の悪魔龍テンザン”を出して盾を3枚ブレイクしながら墓地肥やしを行い、破壊時に墓地からバトルゾーンに出る“黒神グールジェネレイド”や本家と違い手札にあるだけ召喚できる”無限超邪クロスファイア”で追加の打点を形成していくデッキ。このコンボだけでなく”必駆”蛮触礼亞”+”勝利龍装クラッシュ「覇道」”のパッケージも積むことが出来るため、3ターン目の破壊力は高め。除去を破壊に頼りがちなモルトNEXTが多い環境では”グールジェネレイド”も通りやすい。トリガーを踏んでも二の手がすぐに出てくるというのは一線を画している。

更に墓地肥やしの速さ、コンボの手札消費の荒さ、”グールジェネレイド”の復活ギミックを考えると”零龍”を採用し得るデッキであるというのも目を引くポイントだ。”破壊の儀”は”イーヴィル・フォース”のクリーチャー面である”龍装05号イヴィルヴィ”で発動を促したり、相手の”ボルドギ”に対して牽制をするなどの動きが出来るかもしれない。

しかし防御が薄い上に、一度もたついた場合の巻き返しが難しい。更にはテンザンを絡めた場合のデッキ枚数管理の問題もある。とにかくピーキーなデッキといえよう。

 

赤青覇道

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筆者が密かに注目しているデッキ。メリットは何と言っても”異端流しオニカマス”の存在である。踏み倒しを咎める、選ばれない軽量クリーチャー。ドラゴンという大型クリーチャーの玉手箱のようなこの大会において一際異彩を放つカードではあるが、シールド・トリガーの大部分に耐性があり、”不死鳥”や”爆熱王DXバトガイ銀河”の踏み倒しの効力を弱めるこのカードを出されたプレイヤーは対処に困ること必至である。

”ドラゴン墓地ソース”でも述べた通り、モルトNEXTの除去は破壊が大半であり、“クラッシュ”覇道”””も攻撃をしてしまえば高確率でエクストラターンに入れるだろう。”ボルドギ”のパワーを超えている点も殴り手として高評価である。追加の”触礼亞”の踏み倒し先としてはドラゴン枚数を増やしながら水文明のカードを確保したり、3マナの除去トリガー枠を確保し、更に相手の手札が4枚以上あればパワー8000のスピードアタッカーのダブル・ブレイカーとなる”龍装者”OGU”ヴァル/「静謐よ、世界に満ちよ」”が適任か。残りには”龍装者バルチュリス”がシンプルながら強力。

GRも取り入れられるため、”全能ゼンノー”での遅延や”ジェイ-SHOCKER”で” The ジョギラゴン・アバレガン”を戻して”ハヤブサリュウ”や”爆裂遺跡シシオー・カイザー”による封印解除や妨害をケアするなどの小技にも期待だ。

弱点は実質のメインデッキの枚数の低下とカードパワーの低さか。サンプルデッキは一般的な赤青覇道の”弐幻サンドロニア”が採用されていた枠に”ネクスト・チャージャー”を入れて少しでも本来のものに近いデッキに仕立て上げようとしているが、やはりサンドロニア程強くない。通常の”赤青覇道”というデッキのメリットであった「多彩なメタカードを積める」という点が失われているのだ。このパワーカードに溢れた環境ではこのデッキ一枚一枚のカードも弱く見えてしまう。

それでも”オニカマス”にはこれらのデメリットを分かっていても使う価値がある。筆者はそう考えた。

 

いかがだっただろうか?特殊ルール下であっても、それに従いつつ面白いデッキを組むことが出来ると思う。次回以降の開催及び参加者のデッキが今からとても楽しみだ。

実際の大会のアーカイブは下記URLを、大会で参加者が使っていたデッキはTwitterハッシュタグ #超NEXTフェス でチェックだ!

www.youtube.com

 

 

おまけ

寄稿デッキ紹介

”青白ネバーサイクリカ”

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脱法NEXTの一種。
受けの固さとループによる安全なフィニッシュが最大の特徴。
《音感の精霊龍エメラルーダ》、《スペルサイクリカ》、《ナウオアネバー》の3枚のカードを利用した無限耐久ギミックが搭載されている上に、シールドトリガーからループに突入してそのまま相手ターン中に勝つことすら可能である。
特に上記の無限耐久はオーソドックスな赤緑モルトNEXTやデアリモルトNEXTではどうあがいても突破することが不可能であり、《ニコルボーラス》《悪魔龍ダークマスターズ》《偽りの王ナンバーナイン》のようなカードが採用されていない限りは勝ちがほぼ確定する。
殿堂構築ならロジック系列が初動として採用されることが多いが、今回はモルトNEXTを仮想敵であることから採用を見送り、受けになるシールドトリガーを多く採用した構築になった。
モルトNEXTとネクストチャージャーしか火文明のカードが採用されておらず、高確率でモルトNEXTは《ボルテール・ドラゴン》に成り果てる。
更には龍マナ武装はどうあがいても達成できない。まさに脱法NEXTの極みのようなデッキである。